
現場と人と向き合う工務課リーダーの現在地【工務課 吉村 星那】
「AneMag」がお届けする企画『Ane-Baton(アネバトン)』。 アネシスを形作るメンバーが、仕事への想いやパーソナルな素顔を語るインタビューです。
今回は建築部工務課の現場監督として活躍する吉村 星那さんです。工務という仕事のやりがいやチームでの現場管理、そしてご自身のことについてインタビューしました。

吉村 星那 (Yoshimura Sena)
株式会社アネシス 建築部 熊本工務 熊本2班リーダー
大学卒業後、同社入社。研修後、建築部工務部工務課に配属。2021年2月より新築営業部へ異動し、主に住宅展示場での接客・販売業務に従事。2022年2月に建築統括本部工務課へ再び異動となり、2023年7月には同課のリーダーに就任。現在は2名のメンバーとともに、高品質な現場管理に尽力している。
<目次>
——はじめに現在の仕事内容を教えてください。
吉村 工務課の仕事は現場管理です。具体的に「工程組み(どの業者さんがいつ現場に入るかのスケジューリング)」「工程管理」「工事現場のチェック」「職人さんとの打合せ」「お客様対応」「近隣対応」を行っています。
——非常に幅広い業務ですね。そのなかで、特に大事にしているものは何ですか?
吉村 特に大事にしているのは「工程管理」です。適正な工期で品質の高いものをお客様にお引き渡しできれば、自分たちが担当している物件もスムーズに進みますし、会社的にも工期がバチッと決まって計画通りに完成すれば、先を見通すことができます。リーダーになってからは、この工程管理がいかに重要であるかを、より一層実感するようになりました。
——工程管理が重要だと感じるようになったきっかけやタイミングはありますか?
吉村 何か特定の出来事があったというよりは、日々の業務のなかで徐々に「これは本当に大事だな」と実感するようになりました。現在、業者さんにとっても適正なスケジュールか、高品質な家づくりのための工期になっているかを改めて精査しているのですが、そのなかで自分たちが見えていなかった部分に意外と時間がかかっていたり、仕様によって工期に大きな差があることに気づいたんです。すべての物件を一律の工期で進めることはできないと痛感しました。雨などの天候による影響は後からの話であって、何よりも大切なのはベースとなる一番最初の「工程組み」です。最初の段階でしっかりとした工期を組むことこそが一番重要なんだと、日々の経験を通して学びました。

——会社全体の運営においても、工程管理は非常に重要なんですね。吉村さんは現在、工務課2班のリーダーとしてメンバーをまとめていらっしゃいますが、チームとしてはどのように現場管理を進めているのでしょうか?
吉村 私の班は、私とメンバー2人の計3名で熊本2班の現場を担当しています。まず業務の進め方として、物件ごとに主担当を決めています。そのうえで、主担当が休みだったり他物件の検査で手が離せなかったりする場合は、残りのメンバーが代わりに現場へ向かって検査やチェックを行う体制をとっています。そうした現場全体の段取りや調整をはじめ、チェック漏れの確認やメンバーへのフィードバックを行い、チームをまとめるのが私の役割です。
——物件の主担当はどのようなポイントで決めていますか?
吉村 ポイントは大きく2つあります。1つ目は、メンバーの担当件数のバランスです。1人が無理なく見られる物件数を把握したうえで、現在進行中の担当物件数と照らし合わせています。2つ目は、物件の難易度です。アネシスグループのなかでも『ホームパーティ』の家は一番難易度が高いので、比較的経験値のあるメンバーに割り振ることが多いですね。主にこの2つのポイントのバランスを見ながら、主担当を割り振るようにしています。

——難易度が高い物件でも、チームで管理するから徐々に若い社員も主担当を任せることができるのでしょうか?
吉村 そうですね。班内で「ここはこういう段取りが必要だ」という話題が出たら、「こんな時はこう動くといい」とノウハウを共有するようにしています。そうすることで、自分が直接担当していない物件であっても「こういう時はこうすればいいんだ」と知識を吸収できますし、別の難しい物件を担当した時に「前に説明されたのはこれか」と気づいて次に活かせます。誰かの失敗や経験もチーム全員の学びや知識になっていきますから。そうやってノウハウをどんどん吸収してもらい、「じゃあ次は少し難しい物件に挑戦してみようか」とステップアップして任せるようにしています。
——そういうコミュニケーションもしっかり取られるんですね!
吉村 そうですね。毎月の1on1や面談などを通して、意識してコミュニケーションを取るようにしています。最近だと、古波藏(こはぐら)さんが『アーキハウス』の難しく大きな物件に挑戦したり、畠中さんが『ホームパーティ』の物件を初めて担当したりと、新しいチャレンジを進めているところです。難易度の高い物件に積極的に挑戦してもらいながら、基本となる物件は確実に完成させられる技術を身につけてもらう。そうしたバランスを考えた育成を意識しています。

——仕事のやりがいを感じる瞬間について教えてください。
吉村 さまざまな場面で「この仕事をやっていて良かったな」と思う瞬間はありますが、強いて挙げるなら2つあります。1つ目は、お引き渡しの際にお施主様から「ありがとうございました」と感謝の言葉をいただけるときですね。なかには涙を流して喜んでくださる方もいらっしゃるので、その姿を見ると「本当にやっていて良かったな」と心から感じますね。
——吉村さん自身が、ご自宅を建ててから心境の変化があったのではないですか?
吉村 自分で家を建てて感じたのは、「やっぱり自分の家が一番好きだな」ということです(笑)。完成するまで「こんな生活がしたい」と思い描きながら、可愛いクロスを選んだり見た目を工夫したりしてきた分、深い愛着がありますし、「ここもこだわったな」と思えるお気に入りの場所がたくさんあります。この「自分の家が一番だ」という実感を自分自身が味わったことで、お引き渡しするお施主様のお気持ちが以前にも増して理解できるようになりました。だからこそ、お引き渡しの瞬間は今まで以上に「本当におめでとうございます!」という祝福の想いが溢れてきますね(笑)。
——ありがとうございます。経験することで見えてくるもの、感じ方が変わってきますよね。では、やりがいの2つ目を教えてください。
吉村 やりがいはもちろん、純粋に「楽しい!」と感じる瞬間なのですが、業者さんと打合せや工程調整を重ねて、現場が綺麗に納まった時ですね。自分が計画した通りに工程が進み、現場がバチッと完了した時は「あぁ良かった」と安心しますし、「よし、出来た!」という手応えを感じます。

——職人さんや業者さんとの調整をスムーズに進め、チームとして現場を動かすために日頃から心がけていることは何でしょうか?
吉村 業者さんとのコミュニケーションは本当に大切ですね。特に意識しているのは「話し方」と「理由をしっかり伝えること」、そして作り手の気持ちを理解することだと感じています。無理なお願いをする時も「かなり手間がかかる作業だと思うのですが…」といったクッション言葉を添えるなど、相手への配慮を欠かさないようにしています。
あとは、職人さんがスムーズに作業できる現場の段取りですね。現場に行って作業ができないという事態を一番嫌われますから、業者さんの都合と現場の状況をしっかりすり合わせて折り合いをつけます。特に施工が難しい箇所や急な変更が発生する時ほど、ていねいなコミュニケーションを心がけていますね。
一言で言えば「話し方」と「段取り」です。私も最初からできたわけではなく、たくさん失敗して、怒られながら学んできました(笑)。

——アネシスに入社される前に抱いていた工務のイメージと、現在の実際の仕事を比べて、ギャップを感じた部分はありますか?
吉村 学生の頃は「工務=ずっと現場にいる仕事」というイメージを持っていたので、実際に働き始めて「思った以上に事務処理が多いな」と感じたのがギャップでした(笑)。最近では『ANDPAD(アンドパッド)』のような施工管理ツールもを活用して業務を進める場面も増えましたね。事務処理能力の大切さは学生時代には想像していなかった発見でした。現場が好きなので、「もう少し現場に顔を出せたらな」と思うこともありますね(笑)。
——キャリアに関する考え方の変化はありますか?
吉村 入社当時は「設計」や「工務」、そして社員大工である「クラフター」も選択肢として頭にありました。実は高校受験の時から「大工さんになりたい」という思いがあって、工業高校への進学を考えていたほどなんです。結局その時は別の道に進みましたが、就職活動でアネシスを知った時に「ここならクラフターにも挑戦できるかもしれない」と思って志望しました。配属前の面談でも「現場に出て作業することにも興味があります」と伝えたのを覚えています。今でも現場への想いはありますが、それ以上に「工務」の仕事が心から楽しいと感じています。何より、今の自分が必要とされている場所はここなんだと感じることもあります。将来的に挑戦できるよう、今のうちから準備はしていきたいと思っています。

——将来の具体的なイメージはありますか?
吉村 将来的には、「工務×クラフター」という新しい掛け合わせに挑戦してみたいと、ひそかに考えています。ただ、正直大工さんはいろんな面から難しいと思っているので、大工以外の職種でクラフターの可能性を探っているんです。今考えているのは「電気」と「クロス(内装)」の技術です。この2つは新築だけでなくリフォームでも常に高い需要がありますし、工事期間も比較的短いので、工務の業務と上手く両立できるのではないかと見立てています。
——「工務×クラフター」の掛け合わせ、とても魅力的ですね!ぜひ実現していただきたいです。吉村さんは入社2年目の時に1年間、新築営業も経験されていますが、改めてその1年を振り返ってみていかがですか?
吉村 営業の現場を身をもって学べた、非常に密度の濃い1年間でした。当時は出展していた展示場での接客を担当していたのですが、家づくりを始めたばかりの方から検討が佳境に入っている方、アネシスを知っている方・知らない方まで、本当に多様なお客様がご来場されたんです。建物をご案内すること自体も難しかったですし、その後に座ってじっくり会社のご説明を聞いていただくハードルの高さも実感しました。ただ、そのなかで「初対面のお客様とどうすれば良い信頼関係を築けるか」を真剣に考え抜く貴重な機会になりました。その時の気づきや対話の工夫が、現在の工務でのコミュニケーションに活きていると思います。

——休日の過ごし方について教えてください。
吉村 最近は自分で建てた自宅のウッドデッキをDIYで作っていました。休日にコツコツ作業を進めて2ヶ月半ほどかかりましたが、仕上がりは100点満点の自慢のウッドデッキが完成しました(笑)。何もない日は朝の9時から丸一日作業していることもありましたね。
あとは元々パン作りが趣味なのですが、最近はなかなかできていなかったので、また復活させたいなと思っています。最近も食パンを焼きました!

吉村さん自作のウッドデッキ
——最後に今後の意気込みを教えてください。
吉村 現在は工務課のリーダーを務めているので、まずは後輩の育成にしっかり取り組んでいきたいですね。頼もしくしっかりとした後輩の2人(古波藏さん・畠中さん)の成長をサポートしながら私自身も磨かれていけば、自ずとチームや会社の目標達成にもつながると信じています。
また、自身のスキルアップのためにも資格取得や知識をさらに身に付けて、最終的な目標である「工務×クラフター」にチャレンジできるだけの力と信頼を備えた人間になっていきたいです。

吉村さんが持つ「責任感」の強さが、まっすぐ伝わってくる取材でした。 お施主様に対する責任感、後輩育成に対する責任感、そして職人さんと向き合う責任感。これらを真正面から受け止め、真摯に行動する姿がとても印象的でした。
「経験することで、物事の見方が変わる」——ご自身の経験を成長の糧に、新たなステージへと進む吉村さんのこれからの挑戦が楽しみです。
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